公立高校
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     土曜授業、20府県公認「公務扱い、謝礼許可」
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 休日の土曜日に補習をする公立高校の教員に対し、代休を認めたり、
保護者からの謝礼金受け取りを許可したりして実質的に「土曜授業」
を公認している自治体が20府県にのぼることが、朝日新聞の調べで
わかった。国は「ゆとり教育」の一環で02年度から完全学校週5日制
を導入したが、大学入試対策として土曜に補習を続ける高校が後を絶
たず、自治体が制度の解釈で下支えしている格好だ。文部科学省は近
く、土曜補習の実態を調査する。

 学校教育法施行規則で日曜および土曜は休業とする、と定められて
おり、行事などを除いて土曜に正規の授業を組むことはできない。し
かし、週5日制移行後も、公立高校の多くが教員のボランティアやP
TAが主催する形で、土曜に補習を続けていた。朝日新聞が、都道府
県教委の担当者に公立高校の士曜補習を支える仕組みの有無について
電話で聞いたところ、補習を公務とみなして教員に代休を認めている
自治体が宮城、山形、埼玉、滋賀、大阪、島根、香川、愛媛の8府県
にのぽった。
 大阪府の場合、03年度の調査で全府立高校160校中87校が土曜
に補習をしていた。当初は教員のボランティアに頼っていたが、当初
「教員の頑張りに報いてほしい」という校長らの強い要望があり、04
年9月から公務扱いに変えた。04年度から公務扱いにした埼玉県の担
当者は「補習を奨励するわけではないが、6日制を堅持する私学との
対抗上、土曜を活用せざるを得ないという声が強い」と説明する。
 このほか、教員が「兼職兼業届」を出せば、補習を主催するPTA
などから謝礼金を受け取れるようにしたのは12県。東京都は主曜補習
1回につき、補習準備のために半日間自宅研修できるとする「特認研
修制度」を02年度から導入している。
 また、北海道、岐阜、山口など7道県は「何らかの制度を検討中」
とした。神奈川、愛知など19県はこうした運用をしていなかったが、
どの県も補習は禁止しておらず、謝礼金の受け取りについても学校判
断に任せているところが多かった。これに対し、岩手と広島は通知や
校長協会との申し合わせで、謝礼金を受け取らないよう指導していた。
広島県教委は「5日制の趣旨に賛同し、多くの県民がボランティアで
地域活動に協カしてくれている。教員だけ謝礼金を受け取るのはふさ
わしくない」との立場だ。
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 北海道 △  滋 賀 ◎            朝日 1/12
 青 森 ○  京 都 ―
 岩 手 ―  大 阪 ◎
 宮 城 ◎  兵 庫 ―
 秋 田 △  奈 良 △
 山 形 ◎  和歌山 ―
 福 島 ○  鳥 取 ○
 茨 城 ○  島 根 ◎
 栃 木 △  岡 山 ―
 群 馬 ―  広 島 ―
 埼 玉 ◎  山 ロ △
 千 葉 △  香 川 ◎
 東 京 ※  徳 島 ―
 神奈川 ―  愛 媛 ◎
 山 梨 ―  高 知 ○
 長 野 ○  福 岡 ○
 新 潟 ○  佐 賀 ○
 富 山 ―  長 崎 ○
 石 川 ―  熊 本 ―
 福 井 ―  大 分 ―
 岐 阜 △  宮 崎 ―
 静 岡 ○  鹿児島 ―
 愛 知 ―  沖 縄 ―
 三 重 ○
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◎公務扱い  ○謝礼金受け取り
△制度検討中 ※研修扱い  

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