都教育委員会が都立高校に押しつけ 自・公・民が一体で推進 

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 東京都教育委員会が学校に「日の丸・君が代」を強制しでいる問題でいま、
東京の教育現場では深刻な事態が起きています。この問題で各党は都議会で
どんな態度をとっできたのか…

 10月に創立記念日を迎えたある都立高校の男子生徒は「先生が処分され
るから僕は『君が代で立つよ」と母親に語りましだ。都教委の「日の丸・君
が代」強制が、子どもの心に重くのしかかっでいます。
 都教委は昨年10月、卒業式や入学式などを、「日の丸・君が代」を正面
に掲げ「君が代」を起立斉唱する、卒業証書は壇上で渡す形式で開けと一方
的に決め、全都立高校に押しつけました。
 多くの都立高校ではこれまで、生徒会に実行委員会をつくるなどして半年
以前から卒業式を準備。卒業生と在校生が向かい合って工―ルを送りあった
り、卒業生の思いのこもった作品を飾っだり、各校で創意ある形で開かれて
いました。それを都教委が一片の通達でがんじがらめにしたのです。当時、
板橋区内の都立高校で卒業式の準備を進めていた高校三年男子は「卒業式は
僕たちのおとなへの第一歩。自分たちで物事を決める力があるから卒業でき
るのでしょう。その卒業式を大人が勝手に決めるのはおかしい」と語りまし
た。都教委の方針は、障害のある子どもたちにも壇上に上って卒業証書を受
け取れなどと強制。生徒と同じフロアで証書を渡した昨年までなら自力で受
け取れた子も、今年はできなくなりました。100万かけて会場の床から壇
上までスロープを設置した学校もありました。
 東京都教育委員会の「日の丸・君が代」強制で処分されだ教師は248人。
8人が再雇用の取り消しなどで職を失いました。他に67人の教師が「注意」
や「厳重注意」を受けました。
 「歌う歌わないで君たちには内心の自由がある」と生徒に説明しただけで
「厳重注意」とされだ教師や、大勢の生徒が「君が代」を起立斉唱しなかつ
た責任を問われた例もあります。
 都教委が派遣した職員が卒業式での保護者の起立状況まで監視していたこ
とも、市民団体の情報公開譜求で判明。公開された資料には「保護者■■の
み不起立」(■は非開示)などと行政が市民を監視していた不気味な記述も
あります。
 憲法が保障する思想信条の自由を踏みにじる行為を教育委員会が学校で進
める異様な事態に、保護者、教職員をはじめ幅広い都民から批判、懸念の声
が上がっています。
 都議会で自民、公明、民主各党は都教委の「日の丸,君が代」強制を支持
し推進してきました。「(『君が代』を起立斉唱しなかったことを)反省も
していないものを教壇に戻すことはあってはならない」
 こう要求したのは自民党古賀俊昭都議=日野市選出(六月八日、本会議代
表質問)です。同都議は「君が代」を起立斉唱させるため「学習指導要領や
通達に基づいて児童生徒を指導することを盛り込んだ職務命令を出す」こと
を求めました。都教委はこれにこたえ、9月の都立高校校長連絡会で「君が
代」斉唱を指導するよう職務命令を出すことを指示しました。
 公明党も「国歌斉唱時に起立をしないなど、(都教委の)実施指針に従わ
ない教員がいる場合、厳正に対処すべき」だと要求(野上じゅん子都議=葛
飾区選出)。
 露払いの役 民主
「日の丸・君が代」強制の根拠となったのが03年10月23日の都教委通
達と「実施指針」(入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱に関す
る実施指針」)です。民主党はその露払い役をしました。
 上屋敬之都議=板橋区選出は、03年7月2日の都議会本会議で「国歌斉
唱時に起立もしない教職員がいまだに存在する」「式典運営指針などを制定
すべき」だと要求。「指針」はその3カ月後に出されました。同都議は来賓
として出席した都立高校の卒業式で、「君が代」を起立斉唱しない生徒たち
をたちなさい…立ちなさい」と怒鳴りつけました。それだけでなく都議会で
「同様の事例があれば学校名を公表すべきだ」(3月16日の予算特別委)
と要求したのです。
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