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         撤 兵 論 強 ま る 米 国
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【ワシントン=浜谷浩司】イラク開戦二周年までニカ月足らず。治安悪化に
象徴されるイラク情勢の「泥沼」化を前に、米国では米軍撤退を求める声が
一段と強まっでいます。
 軍事的存在が問題
 「四十年前、私たちは、ベトナムでの米国の存在そのものが新たな敵をつ
くりだしていることを理解しなかった。その歴史をイラクで繰り返してはな
らない」−ケネディ上院議員は二十七日、ワシントン市内で行った講演会を
こう切り出しました。同氏は、「イラクでの戦争は米国の占領に反対する戦
争となっている」「米国の軍事的存在は解決ではなく、問題をつくりだして
いる」と強調しました。
 三十日のイラク暫定議会選挙についで同議員は、「イラク国民が、自分た
ちの指導者を米国のあやつり人形でないと確信しない限り、選挙はプッシュ
政権が期待するような(安定への)転換点にはなりえない」と指摘。
 イラクから直ちに一万二千人以上の米兵を撤退させ、二○○六年の早い時
期に完全撤退させるべきだと述べましだ。
 「不必要な戦争だ」
 ABCテレビは同日夜、「イラクに米国はなぜとどまるのか」をテーマに
二時間にわたり視聴者参加の討論番組を放映。会場のホワイトハウス近くの
教会では、イラク撤退への賛否両論がぶつかり合いました。「この不正で、
不必要な戦争をやめるべきです。プッシュ政権はいったいイラク駐留をどう
正当化できるのですか」−家族をイラクで失った人々の声を二人の女性が伝
えました。
 「息子は誤った理由でイラクに行きました。遅くなりすぎる前に子どもた
ちを帰すべきです」。息子を失った女性が続きました。米軍の死者は千四百
人を超え、さらに一万人以上が足を失うなどの傷を負っています。

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                                  赤旗 05/1/29

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