――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「 一 歩 一 歩 」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 北海道奈井江商業高等学校 佐藤 琢磨 いまから39年前、北海道商業教育研究会から「北海道商業教育研究」の創刊号が出 された。1966(昭和41)年7月のことである。その冊子には、今読んでも新しく 感じることが多く書かれている。とくに、School−To‐Work、学校から仕 事への接続や普通教科と専門教科の統合について問題意識をもち、最近授業実践をして いる私にとって次の個所を読んだときは、39年前にも同じような問題意識意識を持っ ている人がいたことに驚いた。 「教育課程は、前に述べた教育目標や、求める人間像によって編成されなければなら ない。商業教育においては、ー般社会人としての普通教育と職業人としての職業教育の 2つの内容を満足させるための教育課程を編成しなければならない。このためには、単 に基礎学力の養成だけでなく、職業教育を発展させるための素養となるような教科科目 の配列が行われなければならない。この点、前述の商業科の内容の科目関連だけでなく 普通科と職業教科との関連調和(例えば、文実と国語、商業英語と英語、経済と社会科 計実と数学、商品と化学とかにおいて、単に単位数や科目の関連調和だけでなく、学習 指導内容においても、その関連調和)を図ることが必要である。」 (『北海道商業教育研究』創刊号より) 全国商業教育研究協議会は「新しい商業教育の創造」という本を明治図書から出版し ているがその中に書かれている商業教育や商業高校の問題点についても、今読んでも意 外と古さを感じない個所が多々ある。 活字にして残していなければ一から始めなくてはならないことも、活字として残って いるおかげでわれわれは一から始めることなく、先輩たちが残してくれた実践から続き をスタートすることだできる。夏の研究会では、商業高校をとおして豊かな学ぴをどう 築いていくのか、議論された。商業教育の先輩達が残してくれた「新しい商業教育の創 造」など活宇としての財産を無駄にすることなく、各地域の中小企業、地域の経済と結 ぴついた「新しい商業教育」をこの研究会をとおして創造していけると感じた夏の研究 会であった。 いまから39年前商業教育に想いを寄せるものが北の大地でそれぞれの想いを語り、 やがて3年後には全国規模の組織ができ、「国民のための商業教育」創刊号が全国商業 教育研究協議会から出された。ばらばらに商業教育についての授業実践していくのでは なく、みんなで討論し確信の持てる授業を作り出し、実践していくことがますます大切 になっていると感じる今日この頃である。 全国の各地で、一人一人が一歩一歩、連絡を取り合いお互いに協力し、すぐれた実践 を共有し、頑張って行きたいですね!