――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 北海道公立高等学校適正配置計画 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●北海道公立高等学校適正配置計画 平成18年度公立高等学校適正配置計画案が6月13日に発表されました。平成17年 度の道内の高校数は337校(道立241、市町村立39、私立57)です。中学校卒 業者数が54,415人に対し、収容定員は60,126人(高専も含むが、通信制は 除く)、収容率は110.5%となっています。 平成18年度は、定員割れが続く大 成(町立1学級)、中頓別農業(1学級)、中札内(1学級)の3校で新入生募集を停 止し、平成20年3月に廃校となります。 また、室蘭東(3学級)と室蘭商業(3学級)を統合して総合学科高校(5学級)を 新設するとともに、旭川北、室蘭清水丘の英語科(1学級)を普通科に学科転換します。 学級数削減では、札幌白陵など全日制8校で計9学級360人が減らされます。連携 型中高一貫校が広尾高校と町内4中学校で導入されます。 商業に関する学科では、木古内高校の商業科が募集停止となります。道内の小規模校 は、特色づくりや制服・交通費・修学旅行費などの助成、海外研修、寮整備、スクール バス運行などを行い、生徒確保のために、札幌市内の中学校訪問を行い、札幌の中学生 を確保するなどしています。 しかし、道教委では高校の適正規模を4〜8学級とし、適正規模に満たない高校は統 廃合の対象として、基準を設けて統廃合を行っています。その結果、高校がなくなった 市町村では、近隣高校へ通学するために交通費が数万円もかかるなど保護者への経済的 な負担が大きく、子どもの学習を受ける権利の保障が問題視されます。 ●メンタルヘルス対策 8月12日に道立学校職員等のメンタルヘルス対策で「メンタルヘルス基本方針」「メ ンタルヘルス計画」「管理監督者のためのメンタルヘルスハンドブック」が作成されま した。 北海道では、平成12年度に公立学校教員の病気休職者数223人のうち、精神性疾 患による者が94人で42.4%ありましたが、平成15年度には病気休職者数227 人のうち、精神性疾患による者が128人で56.4%を占めるまでに増加しています。 このことからメンタルヘルス対策の強化が必要とされています。 読売新聞の9月28日では、『札幌市の教員に精神疾患が増加。60人に1人が30 日以上休職』と報じられ、『うつ病などの精神疾患で連続1か月(30日)以上休む札 幌市の教職員が年々増え、2004年度は過去最多の131人に上ったことが、27日 開かれた市議会で明らかになった。全教職員の60人に1人が休んだ計算で、心を病む 先生たちの実態が浮き彫りになった。 市教委によると、市立の幼稚園、小中学校、高校、養護学校の約340校に勤務する 教職員は約8000人。04年度中に連続30日以上休んだ教職員は282人で、うち 統合失調症やうつ病などの「精神疾患」は131人。3年前の01年度の87人と比べ、 1・5倍に増えた。また、症状がさらに深刻な、連続3か月(90日)以上休んだ教職 員も76人いた。 全職員に占める連続30日以上の休務者は、市職員が「100人に1人」に対し、教 職員は「60人に1人」と、事態は深刻だった。 市は対策として、悩み事の相談窓口 になる「市教職員相談室」を設置する一方、今年4月には休務者が段階的に職場復帰で きるように、勤務時間や勤務の負荷を調整する「職場復帰訓練」を設けた。4月以降、 この制度で7人が職場復帰したほか、5人が訓練中という。 市教委は、「精神疾患は様々な要因が影響して原因の特定は困難だが、児童生徒や保 護者との対応でストレスが増えている可能性は否定できない。孤立感を生まない体制づ くりなど、職場環境について幅広く配慮していきたい」と説明している。』とありまし た。 ●長年勤務者解消計画 8月26日に公立学校教職員の長年勤務者解消計画が作成されました。高等学校では54 歳以下で、現在校に11年以上(特に15年以上の長年勤務者を3カ年にわたって解消 する計画が立てられました。 特に札幌・旭川・函館圏のA地区については重点的に解消する計画で、人事の不公平 を緩和する目的です。道内はA〜特D(離島など)の5区分に分かれています。若年層 のC・D地区集中と高齢層の都市部集中を年齢的なバランスづくりを行う方針です。 しかし、杓子定規に人事異動を行いますと、その学校の名物先生や中心的な立場にあ る先生も異動をしなければならず、逆に学校と地域などとの連携が軽薄になることが考 えられます。 文責:倉部静雄(函館商業高校) ●アスベスト調査 北海道新聞によると「学校や教育関連施設のうち、道内の22カ所を含む404施設の 計1190室で、アスベストが露出し、飛散する恐れがあることが文部省の実態調査の 中間報告で分かった。調査を終えたのは全体の34%にとどまっており、11月末の最 終報告ではさらに増えるのは確実だ。」とのこと。子どもや教職員の健康を考えると先 進国、豊かさというイメージにはほど遠い対応の遅さである。 ●平成18年度3月卒業者の状況 厚生労働省北海道労働局によると平成18年度3月卒業の高校生卒業予定者数は 55,133名(うち男子28,0884 女子27,049)であり、進学希望者数は25,160名、学校の 紹介による就職希望者数は13,190名ということである。 地域の商店街にシャッターの閉まる店が増え、商店街での雇用はないに等しく、地域 に大きな企業の工場などがない限り、地元への就職が厳しくなる状況が広まりつつある。 文責 佐藤琢磨(奈井江商業高校)