公立学校教員 学級崩壊、苦情重荷に
  
                                          12/11朝日

 精神性疾患で病気休職する教員は増え続け、全国で3千人を超えた。
一方、教え子などへのわいせつ行為による教員の処分は後を絶たない。
「心のケアと不祥事防止。先生を取り巻く状況は深刻度を増し、教育委
員会も対応に追われている。

 「自分を支えでいた棒が、ぼきんと折れた」吐き気がして体を起こせ
なくなった朝を、関東地方の小学校の女性教諭(54)は振り返る。担任
している学級で、授業中に教室を飛ぴ出す男子が3人いた。注意する間
に、おしやべりが広がる。女子から「ババァ」と呼ぼれ出した。
 親から「指導力不足だ」と担任交代を求める電話が相次いだ。職員室
も針のむしろ。夢を見た。教室に入ると、子ども全負、回れ右しで自分
に背を向けている。
 次第に立ちくらみがするようになつた。「しつかりしないと、と思うほ
ど空回りして」。
 夫に病院に連れていかれてうつ病と珍断され、休職した。中部地方の
小学校の女性教諭(30)は保護者の連日の電話に悩まされ続けた。「総
合学習でなぜ、英語をやらないんですか」「もっと考えさせる授業をし
てください」「いじめにすぐ対応してくださらないと」。教育委員会に
も電話が行き、「コミユニケーションを十分とるように」と指導を受け
た。
 イライラ感、のぼせや下痢が続いた。朝、自宅の玄関の前でしやがみ
込み、動けなくなった。病院で「心の風邪です」と言われ、涙が止まら
なかつた。
 管理職も苦しい。関東地方の中学校の50代の教頭は校長に「マネジメ
ント能力を養って欲しい」と言われて着任した。
 教育委員会の方針を徹底させなければならないが、自分が納得してい
ないだけに、うまく伝える自信がない。会議で発言すると、反対する教
員が増えた。
 新聞が集中しで読めなくなり、血圧が上がる。病院で過労とうつと診
断され、即入院になった。
 振り返って思う。「疲れている感覚をなくすほど、心がすり減ってい
た。それが怖い」


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 教育現場の苦悩は当然の帰結。先の学習指導要領の改訂は、各方面から
問題が指摘された。「ゆとり」教科の大胆な精選、三分の1カット。出来
ないのも個性、「習熟度別学習」極一部の勝組と大多数の負組作り教育で
は、どっちらの子にも不幸である。
 これ以上の政策の犠牲を子どもや教師にださないために現場からNo!
声を大きくあげませんか。おかしいことはおかしいと言える勇気を。
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