三重大学 共通教育講座「四日市学」

  「 森・里海(さとうみ)の連環を知ろう 」

            三重大学 工学部名誉教授 加藤忠哉 

                             2012.05.09
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 5月9日(水)三重大学共通教育科目「四日市学」の講義で、三重大工学
部名誉教授 加藤忠哉先生の講義がありました。三重県地域結集型共同研究
事業「閉鎖性海域における環境創生プロジェクト」の研究統括として大きな
成果をあげられました。
 プロジェクトは「百余年に渡る閉鎖性海域での養殖生産と生活排水の流入
によって底質環境が悪化し、危機的状況に到っている英虞湾において、産学
官の研究ポテンシャルを結集・活用し、効率的な底質改善と干潟・浅場・ア
マモ場の造成により、海域の自然浄化機能の向上を図るとともに、水質予報
に基づく養殖の導入により、海域の環境保全と真珠養殖等の生産活動が調和
した新たな沿岸海域の環境を創生し、地域経済の活性化に資する」が海外か
らも高い評価を得ました。

 講義は、デカルト「自然は人間の欲望を満たすための手段」から始まりま
した。日本民族は「稲作漁撈文明」として自然崇拝。「草木国土悉皆成仏」
の自然中心主義への回帰こそ、今求められている。地球温暖化・原発の爆発
は、近代文明の傲慢さへの警告である。
 人類の生活基盤である健康な土壌の回復が大きな課題。そのためには、自
然エネルギーの有効利用。植物プランクトン・海洋(里海)の育成。なかで
も牧畜(羊・牛)が森林を破壊してきた、と強調されました。中国内蒙古の
砂漠化、エジプトやローマなど古代文明が森林破壊と大きく関係していると
安田喜憲(三重県出身 東北大学大学院環境科学研究科教授の環境考古学の
創始者)の研究について紹介されました。
 今日の喫緊の課題は食糧の欠乏である。すでに十億人が飢餓の危険にされ
されている。また資源の争奪においては日本も例外ではない。宮川水系にも
中国や欧米の資金が投じられ、水源が確保されている。政府は土地所有にお
いて食料の自給率とともに「水」の確保も検討すべきである、と強調されま
した。
 「山の神、里山、里海」の概念を国際化させることを使命としたい。美智
子皇后が国際会議で語られた「The sea is longing for the forest.(海は
森の恋人)」を紹介され終わりました。
 
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