―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――    
     第36回全国商業教育研究集会  −東京集会、研究協議深まる− 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
                         事務局担当 清水 徳人(東京)
 第36回全国商業教育研究集会(東京集会)も、みなさんのご協力でなんとか終える
ことができました。ありがとうございました。
 今次集会のテーマは「確信のもてる商業教育の創造〜商業教育での豊かな学びを考え
る〜」でした。記念講演や報告されたレポートや討論は、「商業教育での豊かな学び」
を考える多くの材料を提供してくれたと思います。今まで代表委員をお願いしてきまし
た大西先生のご配慮にあずかり、専修大学神田校舎という大変恵まれた研修環境を準備
していただき、感謝申し上げます。新しい代表委負には、記念講演をしていただいた八
幡一秀先生(中央大学大学院経済学研究科)にお引き受けいただき、商教協も新しい出
発をすることになりました。今次集会の成果と到達点の詳細については『商教協年報2
004』に譲るとして、ここでは、その一部をかいつまんでご紹介します。
 集会への参加者は、昨年より減少したことは残念でした。しかし、石川県、岐阜県か
ら久方ぶりの参加で、県内の商業教育の状況を知ることができたり、初めての参加の方
もありました。いくつかの不十分さなど反省点を残しながらも最低の目標は達成したも
のと考えます。講演、報告、協議、交流などを通してたくさんの栄養を吸収することが
できました。

〔記念講演〕
 記念講演は、「地域経済と商業教育」と題した八幡先生のお話でした。地域商店街と
連携する取り組みは、商教協としても、深谷商業(埼玉)、奈井江商業(北海道)、能
代商業(秋田)などの実践の報告をうけています。それらと関連づけたタイムリーなテ
ーマで、地域と学校の教育力を再生する取り組みの大きな方向性を考えさせてくれる内
容でした。
〔基調報告〕
 今年の全国集会への基調報告を、理事会で準備できなかったことは大きな反省点でし
た。何人かの共同での問題提起やシンポジウムなど、基調報告に代わるものを準備する
ことも含めて今後の課題です。

〔レポート〕
 11氏から12本のレポートが報告されました(発表者、テーマおよぴ内容はこの通
信内にて別途紹介します)。お忙しい中、レポートを準備していただいた報告者の方々
に感謝申ししあげます。いずれのレポートも学ぶべき点の多い内容だったと思います。
報告者の方々にはさらにご負担をおかけしますが、ぜひ商教協年報2004にも、その
内容をまとめてご投稿をお頗いいたします。
〔討議・課題等〕
 なお深めるべき課題として、一つは、新しいカリキュラムの検討と商業高校としての
教育課程の方向性の議論ではないでしょうか。新教育過程について、北海道の奈井江商
業高校においては普通科教師もまきこんで討論し、さらに地域住民の声まで配慮しなが
ら新教育課程を練り上げていました。これが例外的特徴で、そのほかのところでは学習
指導要領改訂に関する議論の状況が、今までに比べてもあまり聞かれなかったように思
います。これも今次改定の学習指導要領商業科編のもつ問題点の反映と、商業高校生の
学習の多忙化と広範囲性の結果かもしれません。商業高校の教育課程の論議を深めたい
ものです。このことに関連して、商業教育における豊かな学ぴを創造するための、「ピ
ジネス基礎」など商業諸科目の思い切った自主編成の取り組みも引き続き強め交流して
いきたいものです。
 もう一つの課題として、商業高校卒業生の進路保障の取り組みです。高卒生とりわけ
女子の卒業生を直撃している就職難について、実態と打開のための方策の交流を強める
ことは引き続く課題だと思います。何のために人は働くのか、現在の職業と労働の実態
はどうなっているのか、社会で生き抜いていく本当の力をつける職業と労働に関する教
育は、商業高校においてはどう構築していくのか、が問われています。今次集会で、北
海道の倉部さんの報告もありましたが、深めていきたい課題です。
〔第37回全国集会〕 来年の第37回全国集会は、宮城県松島で開催予定(8月9日
から11日までの3日間)です。また、第38回全国集会は三重県にお願いして現在検
討していただいています。多くのみなさんのご協力で、商教協と商教協運動を継続・発
展させていきたいと思っています。  どうかよろしくお願いします。

inserted by FC2 system