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       学校での著作物複製 年2万円でOK
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     日本文芸家協会 私立108校と協定

 学校教育での著作権の適正利用を目指し、日本文芸家協会(黒井
千次事長)は16日、首都圏の私立中・高108校で作る「著作権
利用教育NPO」(酒井洋理事長)と、学校内の著作物利用に関す
る協定を結んだ。1校あたり年間2万円の補償金で教材などへの複
製利用をほぼ自由にする。将来的には高校や大学にも契約を呼ぴか
けていく。
 著作権法では教育機関が授業などで使うための著作物の複製は認
められでいるが、私立中・高で著作物を引用した過去の入試問題を
志願者に渡したり、副教材として短編小説のコピーを配ったりする
際、著作者の許可なしでは違法となるおそれがあった。
 作家らから著作権管理を委託されている日本文芸家協会では従来
入試問題を配布する場合は、1作品あたり2100円といった個別
ルールを作ってきたが、手続きが煩雑で、定額制でないため学校側
は使いにくかった。
 日本文芸家協会の三田誠広・知的所有権委員会委員長は「教育現
場における著作物の複製の大都分をカバーできる簡単なシステムに
なった。この成果をふまえ、公立学校や大学にも波及させていくこ
とが可能だと期待している」と話す。
 収入は学校側が報告する使用実績に応じて、作家に還元していく。
加盟校には正しい利用をしていることを示す「認定証」を渡す計画
もある。
 「教育NPO」は、99年に起きた副教材をめぐる著作権裁判を
きっかけに、今年5月に設立。まず首都圏の私立中・高に参加を呼
ぴかけていた。参加校はさらに増える見込みだという。

                        朝日 12/17

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