先進国で「貧困層」の子増加 ユニセフ調査 日本も「14.3%」
							
 国連児童基金(ユニセフ)は1日、日本など先進国の多くで、各国内の「貧困層」
に属する子ども(18歳未満)の割合が増えているとする調査報告を発表した。各国
ごとに国民の平均収入の50%に満たない家庭の子どもを「貧困層」とみなしてい
ることから単純比較はできないが、日本も00年のデータで子ども全体の14・3%が「
貧困層」にあたり、90年代初めに比べて2・3ポイント増加していると指摘した。
 イタリア・フィレンツェのユニセフの研究所が、経済協力開発発機構(OECD)
30カ国のうちデータの得られた24ケ国について、01年または00年と、その約10年
前とを比較分析した。
 それによると、メキシコと旧共産圏を除く先進国ではベルギー(3・9ポイント
増)▼ドイツ(2・7ポイント増)▽スペイン(同)イタリア(2・6ポイント増)
など、日本を含む13力国で「貧困層」の子どもの割合が増加。減ったのは英国、
米国、ノルウェーなど7力国だっだ。
 00〜01年時点「貪困層」の比率では、米国21・9%▼イタリア16・6%▼英
国15・4%など。北欧の4力国だけが5%未満となっている。
 ユニセフは、先進国で「貧困層」の子どもが増える要因として、不況による雇用
の不安定やシングルマザーの増加などを指摘。国内総生産(GDP)に対する社会
保障費の割合が高い国では「貪困層」の比率も低いとして、政府の取り組みを求め
ている。
 00年時点で社会保障費のGDP比が高かったのは、デンマーク(28・9%)▼ス
ウェーデン(28・6%)▼フランス(28・3%)などで、日本は16・1%と
対象24カ国のうち21番目だった。

                               毎日 05.3.2

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