全国商業教育研究協議会入会のご案内

                          代表理事 大 西 勝 明(専修大学教授)

 商業教育に期待されるものは、大きなものがあります。しかし、現行の商業教育には、さまざまな
課題や問題があります。商業教育に携わる者として、それらの悩みを出し合い、国民の期待に応えら
れる商業教育を創り出して行くために、全国商業教育研究協議会は結成されました。
 本会は、後期中等教育における商業教育の民主的な発展を図ることを目的とした研究団体です。全
国の情勢などを交流しながら、授業実践や研究の向上を図っていきます。





                 推 薦 の こ と ぱ

 法政大学教授 角瀬 保雄 先生

 日本社会はいまあらゆる面で大きな変化に直面しています。商業教育もその一つであることはいうま
でもありません。現代の若者たちのもつ多様な価値観に応え、生きる力を与えることのできる商業教育
とはどういうものでしょうか。
 いま「教育改革」の名の下で財界や行政当局が進めつつある改革は、うたい文句と実態とが大きく
かけ離れたものとなっています。こうした時、現場の教師達が自主的に商業教育の在り方を探究する
ために作ったのが商教協です。
 商教協は守旧派ではなく、積極的な改革派です。商業教育の現状を憂い、教育改革のための提言を
示すための研究討議を、フリーに進めている唯一の民間教育研究団体といえます。皆さんの参力目と
貴重な経験の交流を訴えたいと思います。

 中央大学名誉教授 今宮 謙二 先生

 いま、日本でIT革命がもてはやされています。しかし、そのとらえ方があまりにも貧困です。IT
革命は21世紀日本にとって必要である事実は否定できません。しかし、そのためには国民一人一人が
IT革命のもつ真の意味とともに、それが生活向上に、どのように役立つかをしっかりと知らねばなりま
せん。そうしなければ、IT革命は一部の投機業者たちの利益の手段として利用されてしまいます。
 このような時にあらためて商業教育の重要性がうかびあがっています。商業教育を通じて世界経済
全体の動きをとらえ、企業活動の分析などを通じて、IT革命の意味も総合的にとらえられるからです。
私は商業教育は21世紀でもっとも必要な課目だと思っています。
 長い間商業教育のもつ意義を追求してきた全国商業教育研究協議会の役割はいっそう深まっていま
す。意欲をもつおおくの先生方が入会するよう、心からよびかけます。

 一橋大学名誉敦授 浜林 正夫 先生

 商業教育の危機が叫ばれてからすでに久しくなります。大学進学ブームのなかで普通高校が増設さ
れて商業高校や商業科が消えていき、パソコンの導入によって商業教育の内容が問い直され、いまま
た少子化による生徒減少のなかで、やはり商業科へしわよせがおよんでいます。
 しかし商業教育の必要性がなくなったわけではなく、むしろその必要はますます大きくなっていま
す。流通革命とか、経済のサービス化とか、最近のIT革命にいたるまで、すべては経済全体のなか
での商業のウェイトを高めるものにほかならないのです。
 全国商業教育研究協議会は創立以来30年余り、一貫して経済の全体像を見すえ、その中での商業
の位置をふまえながら、未来を切りひらく商業教育のあり方を追求してきました。全国の商業教育に
たずさわっている皆さんが、どうか私たちとともに、今後ますます重要性をますと思われる商業教育
の研究と実践交流の場に参加されるよう、心から訴えます。

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